韓国社会|ヒョンビンを目指す子供たち
慶北浦項の海兵隊第1師団で開かれている冬のキャンプに参加した子どもたちが連日汗を流しています。全国から集まりキャンプに参加した子どもたちは、月曜日の入所以来、毎日特殊部隊の基礎訓練に臨んで厳しい寒さを退けているそうです。
このキャンプでは子供たちと言えども、実践戦闘訓練と行軍、上陸用ゴムボート(IBS)の訓練、KAAV(上陸突撃装甲車)搭乗、戦闘水泳など、海兵隊の訓練兵たちが実際に受ける訓練をそのまま体験するのです。
キャンプは、塾や、ゲームなど少々過保護な家庭内環境の中で、ひ弱に育てられている子どもたちに、共同体意識を植え付けることで、最近深刻な教育問題になっている学校内暴力と入試の重圧、利己的な思考から抜け出せるように支援するために用意されたものです。
最近では、共同体意識と正しい人格涵養のための人格教育プログラムに拡大されている様子です。
キャンプの最終日には、訓練課程を修了した学生たちに忍耐力と克己の象徴である海兵隊の赤いバッジが授与されます。キャンプに参加した子供の一人は、私(나)ではなく、ウリ(우리)という言葉の意味を学んだと語りました。
私も、小学6年生の時に参加した経験があります。キャンプ参加を終えて家に帰ってからの数日は、親が言わなくても、早起きし勉強して、掃除して、まじめに生活しました。
その後、すぐに元に戻ってしまいましたが、、、(笑)親からみれば、子どもが苦労するのは心配でしょうが、少なくともこのキャンプ、いままでの子どもの意識や考え方を変えてしまいます。
このようなプログラムは子供のためだけと思われがちですが、もちろん子どもだけでなく、財閥企業も新入社員教育として同じようなことを実施しています。
これ、軍隊に2回行く気持ちになるので、男性はかなりきついんですけれど。
先日ご紹介したPSY(サイ)は、1回目の軍服務が違法ではないとされましたが、多少問題があり、もう一回軍隊に入った経験があるので、ある意味、韓国歴史上初めての軍隊への入隊2回、軍隊服務期間約6年を過ごしたという経験のある方です。
何れにしろ、韓国の子どもたちを変える奇跡のプログラム、皆さんも参加してみるのはいかがでしょうか。日本の方も参加できるようです。
昨年は、人気絶頂の俳優ヒョンビンさんが、海兵隊に志願入隊したことで話題を呼びました。その理由は、海兵隊は行きたいと思っても、誰でもが行ける部隊ではないからです。
私のように、きついのが苦手な人は、そもそも海兵隊に入隊するための試験を受けることすら考えませんし(笑)普通に陸軍に入って2年以上の時間を過ごすのでいっぱいいっぱいでした。(爆笑)
しかし、韓国の男性の中には、最前線で北朝鮮を警戒し、精鋭部隊としてきつい訓練と常に向き合う海兵隊に憧れる人もいます。
彼らは、除隊後も警察とともに交通整理や地域の巡視などの様々な活動をしています。海兵隊イコール選ばれたもの、訓練に耐えたものという確固たるイメージとなる訳です。
海兵隊に入るということは、韓国軍の上位10%に入るということであり、志願し、やり遂げた若者に達成感を与え、自信につながることなんですね。
そして、今はヒョンビンさんのようになってほしいと願う親たちが、子供を強制的に海兵隊に送っているのかもしれませんね。
兵役については、私どもの本でもふれていますように、韓国を知る時には、避けては通れないものです。
特に韓国の男の子は小さな頃から、ある意味”いつかは行かなくてはならない”という一種の恐怖観念を持って成長すると言います。ご両親もまた、”いつかその日が来る”と思って子供を育てて行くんですね。
韓国のドラマを見る時や、韓国に旅行した時は、そんなことも少し思い出してみると、違った世界が見えてくると思います。
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