韓国旅行|『サイコだけど大丈夫』現実そっくりの残酷童話…【サイコ】とは?(コラム)

韓国旅行|『サイコだけど大丈夫』現実そっくりの残酷童話…【サイコ】とは?(コラム)






◇tvN「サイコだけど大丈夫」、お互いの傷を抱きしめたムニョン – ガンテ。欠乏と傷だらけの人々を治癒することは…

ある森の大邸宅である家族に起きた悲惨な悲劇。どのような事件なのかはまだ明らかになっていませんが、母親は死亡し、父親は精神病院に入りました。

そこで生き残った子供は、大きくなって残酷童話でベストセラー作家になります。彼女がまさにコ·ムニョン(ソ・イェジ)です。







tvNの土日ドラマ『サイコだけど大丈夫』のコ·ムニョンという人物を囲んでいる背景は、まるでティム·バートンの世界が持つ暗いですが童話的な雰囲気を漂わせています。

時には残酷ですが、ユーモアが加わった演出は『スウィニートッド』の一場面を想起させます。

幼い頃ひどい目に遭ったコ·ムニョンが平凡であるはずはありません。有名なベストセラー作家ですが、発する言葉と行動は常に常識の線を越えています。

社会がそのような彼女を放っておくわけがありません。たびたび「事故」を起こす彼女を出版社想像以上の代表(キム・ジュホン)が乗り出して「(お金の入った)はちみつ水の箱」で阻止しようとするが、力不足です。







ところが、ある日、この普通ではないムニョンの目にムン·ガンテ(キム・スヒョン)が入ってきます。

自閉症の兄(オ・ジョンセ)を扶養しながら、精神病棟の保護士として暮らしているガンテも、手ごわい傷を抱えて生きている人物です。

「兄を保護し、守る存在になれ」と母親から強要されて育ったガンテは、一時「兄さんが死んでくれたら。」と言ったりもしましたが、兄を捨てる去ることは決してできず、今まで彼のそばで生きています。

彼は兄だけが自分のすべてだと言いますが、実は自分の人生が消えていることを知っています。







『サイコだけど大丈夫』では、コ·ムニョンやムン·ガンテは、親の世代に傷を負った人物たちです。

彼らは差別を受け,虐待の跡までうかがうことができます。彼らは望んでいなかった傷で平凡な生活を送ることができないのです。

ガンテは相変わらず、兄のサンテを扶養し守らなければならないというくびきから脱することができずに心を閉ざして暮らし、ムニョンは自分だけでなく、自分を好む人まで皆殺すだろうという母親の悪夢の中で生きています。








コ·ムニョンが書いた残酷童話の内容は、このドラマが描こうとする物語をはっきりと示しています。

最初の童話「死の影を連れ歩く怪物」は”違う”という理由で誰とも交わることができない少女の物語で、2番目の童話「ゾンビアイ」は怪物とされ、食欲だけ満たせばいいと思っていたゾンビアイが”実はお母さんの温もりを必要とした”という話です。

三番目の童話「青いひげの秘密」は、青いひげを持った男がある女に会って愛に陷ってすべてを与えるが、ただ一つ地下室の部屋に入るなと言ったのを破って死を迎える女の物語です。

最初の童話が、「違うという理由で差別される存在に対する話題」を取り出したとすれば、2番目の童話は、「他の存在も同じように「ぬくもり」を望む存在だ」ということであり、3番目の童話は、「少し違う存在でも愛が可能なのか」という質問を投げかけています。








童話の内容のように、本人たちが望んだわけではなかったにも関わらず、ムニョンもガンテもたまたま別の存在になって差別され、ぬくもりさえ許されない(あるいは許さない)人生を生きています。

このような存在を世の中の人々は「サイコ」と呼び、後ろ指を差して差別しています。

しかし、ドラマが彼らを見つめる視線は違います。ガンテが働く精神病院の名前が「OK精神病院」だという点がそれをよく物語っています。

心を傷つけられ、別々に生きている彼らですが、それでも「大丈夫」と言ってくれる存在の名前なのではないでしょうか。

もちろん「サイコだけど大丈夫」は、一つの残酷童話が描いた現実の隠喩として読んだ方が良いでしょう。

精神疾患に関する情報が盛り込まれていますが、それよりもサイコとも呼ばれる人々を通じて、現実がどれだけ残酷なのかを露呈し、その現実の中で私たちはどのように耐えて生きていくことができるかを物語っています。

今の若い人たちが置かれている現実を見せてくれるように、大人たちが作ってきた残酷な世の中で、平凡な人生、誰かを愛して生きていく人生さえ容易ではないムニョンとガンテのメロは、だから甘いというより悲惨なものに感じられるのです。

彼らを覆っている現実の暗い影の中で互いを抱きしめたまま、その温もりで持ちこたえようとしているように見えるからです。






ひとこと


実は現実の方がより残酷なのかもしれない…少し何かが違うだけで”サイコ”と呼ばれる辛い生活の中で誰かに「大丈夫」と言われるだけで癒される、監督のメッセージがより伝わる嬉しいコラムです♪

✳︎写真はtvNより記事はpdjounal.comからお借りしました。



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