韓国旅行|【日本初放送記念:過去記事4】『トッケビ』いよいよ神まで召喚…イ・ウンボクPDの偉大な仕事とは?
*この記事は2016.12.5のものです。ご注意くださいませ。
いよいよ神降臨です。キム・ウンスク作家の新作tvN <寂しくて、きらびやかな神 - トッケビ」(以下トッケビ)>がそうです。
キム・ウンスク作家の作品らしく<トッケビ>は、これまでtvN金土ドラマの代名詞だった<応答せよ>シリーズの最初の回の視聴率(6.7%平均、ニールセンコリア全国基準)を軽く越え(6.9%)、2回で首都圏10%(10.0234%)を越して記録を更新しました。
やはり名品作家キム・ウンスクの成功神話を今回も継続している真っ最中です。
◇キム・ウンスクとイ・ウンボクの絶妙なコラボ
もちろん、<トッケビ>が初放映から視線を捕らえたうえで「やはりキム・ウンスク」とだけ言うのには惜しい人がいます。
まさに最初の回でブロックバスター級のファンタジー時代劇としての面貌を披露したイ・ウンボクPDがその主人公です。
2013年<相続者たち>は、キム・ウンスク作家の作品だけあって最高視聴率25%を越しました。
作品序盤に同時間帯競争作であったイ・ウンボクディレクター演出の<秘密>に作品性の面でも視聴率の面でも苦戦を免れませんでした。
これに対しキム・ウンスク作家が選択した方法は、「敵の懐で寝る」こと。
次の作品で放映チャンネルをKBS2に移したキム・ウンスク作家はイ・ウンボクディレクターを演出に参加させ<太陽の末裔>という2016年の最大のヒット作を表わしたのです。
<太陽の末裔>は<相続者たち>でキム・ウンスク作家の弱点として指摘されたストーリーテリングの部分をキム・ウォンソク作家の共同執筆で満たしました。
そこにギリシャを背景に、いわゆる「ウンボク調」と称されるイ・ウンボクディレクターの芸術が作品をアップグレードさせました。
おかげで、最終的に医師と軍人が恋愛する話だったものが、ギリシャの景色と外国の戦場で咲く人類愛という感情を加えた<太陽の末裔>は、普通の話を普遍的人間愛にまで高め視聴者の元に伝達されました。
◇tvN 10周年特別企画金土ドラマ<寂しくて、きらびやかな神 - トッケビ>
12月2日初お目見えした<トッケビ>やはりキム・ウンスクという名前ではなく、イ・ウンボクという名前が最初に思い浮かぶシーンを用意していました。
幼い王の嫉妬で逆賊にされ死に至った将軍の壮大さはそれほど見慣れていないですが、その話が一本の映画を見るようにCGで混ぜ合わせられてファンタジー時代劇として登場する瞬間、新鮮で壮大な世界に視聴者は吸引されてしまうのです。
この壮大なファンタジー時代劇に登場する主人公は、その昔の漫画に登場した古いほうきや、ボウルが変身した鬼ではありません。
むしろその昔、無念の死を迎えた将軍を民が自発的に神格化させ、シャーマニズムの神として登板したチェ将軍や、三国志の関羽のような「神」です。
ドラマは現実での無念と民の崇拝という逆説的条件を「トッケビ(鬼)」の条件として登場させます。
そこに戦場で多くの血を見た将軍という存在論的な限界を理由にして身体に剣を刺されたまま、永遠の命の世界を漂流する怨霊という絶妙な運命論的な装置を加えて「トッケビ キム・シン(コンユ)」と呼ばれる韓国的神を完成したのです。
「トッケビ」は、そのような運命的なストーリーとキャラクターでドラマ序盤から一気に視聴者の胸を鳴らしました。
◇tvN 10周年特別企画金土ドラマ<寂しくて、きらびやかな神 - トッケビ>
その永遠の命の呪いを解く人物として彼の花嫁として登場する、本来は「無名」のまま死ななければならなかった運命の少女チ・ウンタク(キム・ゴウン)。
彼女の悲しい運命もトッケビの花嫁らしく視線をキャッチします。
そしてそんな彼女を追う死神(イ・ドンウク)と、まだその正体が分からないのに、キャラクターが際立つサニー(ユ・インナ)、この現実と非現実を行き来するキャラクターの存在だけでも、<トッケビ>は興味をそそるのです。
しかし、新鮮な叙事とその壮大さを圧倒する作品にもかかわらず、2回で明らかになったように<トッケビ>の本質は、まさに悲しい運命のトッケビ キム・シンとトッケビの花嫁ウンタクの愛が主な話という点です。
◇軍人から神まで、
ここで一度注目して見なければならないことは、2016年の一年間視聴率高空行進を更新した作品の主人公たちの面々です。
前述した最高視聴率38.8%の<太陽の末裔>の中の男性主人公は全国民に突然、厄介な言葉を流行させた特殊戦司令部トラックユ・シジン(ソン・ジュンギ)です。
彼は特殊戦司令部トラックと呼ばれる事実上の軍隊で高くない職責にもかかわらず、ドラマの中ではできないことはなく、さらには銃で打たれても次の日すぐに実戦で活躍する能力者で医師カン・モヨン(ソン・ヘギョ)はもちろん、大多数の女性を魅了させます。
ユ・シジンのバトンを受け継いだのは、最高視聴率23.3%の<雲が描いた月明かり>の世子(パク・ボゴム)でした。
彼も女性主人公のためなら世子の身分で死神にナイフを向けるほど生死を選ばない献身的な愛を披露しました。
そして今、<トッケビ>と突然雌雄を競うようになったSBS水木ドラマ<青い海の伝説>の主人公は、シャーロック級の能力に催眠術まで駆使する超能力者です。
そして、トッケビ、彼の真の姿が最もよく現れた場面は、2回のエンディングシーンです。
叔母の借金のために債権業者らに拉致されたウンタクは熱心にキム・シンを望んでいると、彼女の願いに答えるように拉致車両が走っていた道の街灯が一つずつ消えていきます。
そして遠くから登場する黒のシルエット、そのシーンだけでこのドラマの存在理由が説明されているようでした。
おそらく、キム・シンは無名のまま死ぬ運命だったウンタクの存在と生活を救うことになるのでしょう。
このように高い視聴率を取ったドラマの男性主人公は、一様に超能力者です。
2016年だけではありません。かつて伝説を描いた<青い海の伝説>のパク・ジウン作家の前作<星から来たあなた>の男性主人公は宇宙人でした。
それに先立つ<太陽を抱く月>は、朝鮮の仮想王でした。
このように年を重ねながら、「ロマンス」のドラマは、その規模がブロックバスター級に向上していることに加え、男性主人公の能力値もアップグレードされた利便性ブロックバスター映画のように愛を実行するのです。
視聴者は、外界から、海外の戦場、過去から、今、神の世界まで行き来して女性を救う男性主人公の愛で幸せになります。
現実が暗いほど、ドラマの中の男性主人公は、さらに能力値を更新し、視聴者を慰めてくれます。
果たしてこの「ブロックバスター級神の愛」がどこまで繰り広げられるのか、神それ以上の愛は何なのか成り行きが注目されるしかありません。
また、物量とスターに大型化された韓国型ロマンスコメディドラマの進化も気になるところです。
ひとこと
昔から思い浮かべる鬼とはイメージを異にする「トッケビ」。なぜ神なのかの分析が興味深いです。キム作家の後ろに隠れているようですがイ監督の底力も本当に凄い。とんでもない贅沢なコラボだったのですね^^
*写真はtvNより記事はmeditatorからお借りしました。
2017年03月24日
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カテゴリ: 俳優、芸能人、女優 韓国ドラマ、映画
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