韓国旅行|【死を恐れるコンユvs生を恐れるパク・ボゴム】『ソボク』が伝えるメッセージ(コラム)♪

韓国旅行|【死を恐れるコンユvs生を恐れるパク・ボゴム】『ソボク』が伝えるメッセージ(コラム)♪





✳︎この記事は映画の内容に触れています。ご注意くださいませ。


私たちは死への恐怖を持って生きています。「そのため、人間は事故や疾病から脱するため、医学技術を発展させました。」 そして、人間の寿命は少しずつ長くなっています。

それなら長生きするというのは本当にいいことなのでしょうか。人生を長く続けようとする欲望は、過去の始皇帝にさかのぼります。始皇帝は長寿のために薬を見つけようと努めました。彼は死を恐れたために老いても死なない何かを捜し回ったのです。

ところが、死なずに永生を生きることになればどうなるでしょうか。人生で経験する喜怒哀楽を繰り返し経験したなら?

人生を生きながら毎日幸せな時間ばかり持つことはできません。誰かが死ねば心の痛みに耐えなければならず、体の痛みを癒すためにまた努力しなければなりません。だから死なない人生にも苦痛と恐れが伴うのは当然なことなのです。






生と死についての質問を投げかける映画『ソボク』




映画『ソボク』はクローン人間を登場させ、生と死について質問します。 かつて情報局要員だったキホン(コンユ)は、ある病気のため時限付きの人生を送っています。

その時、情報局からクローン人間のソボク(パク·ボゴム)を安全な場所に移動させれば、彼を通じて病気を治療すると提案されます。

そしてキホンは、自分の治療のためにその仕事を受け入れます。実験室で生まれ育ったクローン人間のソボクは、キホンとともに外部に出ることになり、その過程でソボクを殺そうとするある勢力の攻撃を受けて逃亡者となります。









映画の中のギホンは、死を恐れる人物です。そして罪悪感という苦痛の中で生きています。生と死の境界線でさまよう人物でもあります。

実は彼も、自分が何を恐れているのか、どんな選択をしながら人生を生きているのか分かりません。彼がソボクに会って彼の質問を受け始め、自分がなぜ死を恐れるのか、人生で感じる苦痛が死と比べてどれほど恐ろしいのかを自らに問い始めます。

ソボクは、正常な環境で育ってはきませんでした。「ママ」と呼ぶイム博士(チャン·ヨンナム)によって作られ、彼女によって教育を受けて育ちましたが、彼が作られた目的は人間の寿命を延ばすことです。

そのため、数多くの実験と注射の苦痛に耐えながら生きていかなければなりません。特別な事故がなければ死なないソボクもキホンと同様に生きていくことが苦痛であり恐ろしいのです。

キホンと違いがあるとすれば、それはソボクの人生であり、それを恐れることです。それで彼はキホンに聞くのです。なぜ死が怖くて避けたいのかと。









◇生を恐れるソボク、死を恐れるキホン

世の中の一般的な生活について全く知らないソボクであるため、ソボクを追う人々を避ける過程で、キホンはソボクに些細な生活情報や楽しさを知らせてくれます。

キホンは、ソボクが過去に経験したことのない情報を伝えることでソボクの好奇心を満たしてくれます。つまりキホンが人生に対する感情や知識をソボクに知らせているように見えます。

しかし、映画が少しずつ進行すればするほど、この関係は覆されます。ソボクが投げかける生と死に対する質問は、キホンを悩みに陥れるのです。

映画で登場する人物のうち、情報局のアン部長(チョ·ウジン)も興味深い人物です。

彼はクローン人間の技術で人間の寿命が延びる純機能よりは、人類そのものが縮んだり滅亡したりすることを恐れています。

死なずに特別な能力を持つクローン人間の誕生が決して人間にとって良いことではないというのが彼の恐ろしさを極大化させました。

映画の中で彼は、「キホン」と「ソボク」と対極に立って戦いますが、彼の恐怖は人類抹殺への恐怖であり、アン部長の視線で映画を見ると、彼は邪悪な悪党の気質を持っているだけではないとわかります。









すなわち、キホンとソボク、そしてアン部長、そして研究に投資したキム会長など、すべての人物を動かすものは「恐怖」です。

ソボクが終わりのない人生に対して恐怖心を持っているとするなら、他の人々は死に対する恐怖を大きく感じているのでしょう。そしてキホンは、その中で悩む人物です。

ソボクが投げかける質問を聞いて、キホンの心が動くように観客の心も動きます。そのような理由から、映画の末尾「ソボクのまなざし」は簡単には忘れられません。

SFアクションという外見の映画『ソボク』は、クローン人間を登場させソボクとキホンが導いていくドラマをじっくりと見せてくれます。それで、たまに続くアクションがそれほど目につかないのです。

反面、映画が伝えようとするメッセージはとても明確です。ソボクが投げかける生と死についての質問は、直接観客に伝えられることで、それぞれが持っている恐怖がどちらに傾いているかを推し量ることになります。つまり、見所の面では物足りなさがあるものの、メッセージは明確に伝えています。









肯定的に見ればメッセージが明確で成功だと言えますが、かなりの制作費がかかり、観客が期待していた見どころが叙事とうまくかみ合わず、アクションと叙事が別々に遊んでいるように感じられるのも事実です。

このように明確なメッセージを伝えたければ、敢えてこんなに大規模なアクションシーンを入れる必要があったのか疑問が残ります。そのため、メッセージと演技を除いては、残念な気持ちにもなります。

コンユとパク·ボゴムはいずれも好演しています。特にパク·ボゴムは天真爛漫で純真なソボクと高いシンクロ率を見せてくれます。

この映画は『不信地獄』『建築学概論』を演出したイ·ヨンジュ監督の三番目の演出作です。 恐怖やメロジャンルの中で、伝えようとするメッセージを明確に表現した前作に比べ、今作はアクションジャンルとメッセージがあまりうまく調和していないようにも見えます。

もしかすると、映画の中でキホンが「少し怖くない方」を選択したように、監督自身も「少し怖くない方」を選択して集中したためかも知れません。







ひとこと


少し厳しい言葉もありますが丁寧に深く映画を見つめてくれた読み応えのあるコラム。”「生と死」恐怖がどちらに傾いているか…”重いテーマにコンユさんが一度断りでも挑戦したという気持ちがわかりますね♪


✳︎写真はCJE&Mより記事はstar.ohmaynewsからお借りしました。

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