韓国旅行|【皇后の品格vsボーイフレンド他】様々なジャンル、水木ドラマ大戦の楽しみ①♪
SBS「皇后の品格」、tvN 「ボーイフレンド」
毎週木曜日が経過するとドラマの視聴者が集まるオンラインスペースには、緊張感が走ります。
まるで荒野の決闘を行った2人のガンマンの銃口から弾丸が発射された後、誰が血を流して倒れているかに神経を尖らせる観覧客たちのように、SBS「皇后の品格」とtvNの「ボーイフレンド」の今週の視聴率の勝者に注目します。
キャスティングからソン・ヘギョ、パク・ボゴムというそうそうたるスターの出会いで話題性で断然、圧倒的であった「ボーイフレンド」に、いわゆる「ドロドロの愛憎劇」ジャンルの大家キム・スンオク作家と「リターン」チュ・ドンミンディレクターの出会いで対抗馬を立てたSBS「皇后の品格」果たして「スターキャスティング」と「スター作家」の勝負の成り行きが当然気にならないわけはありません。
しかし、やはり「ドラマは作家の遊び」という不文律から、今回の水木大戦の勝負も免れない結果になりました。
11月28日、30分早い放送時間にソン・ヘギョ – パク・ボゴムという二人のスター、キューバの景色までのせた初回「ボーイフレンド」は、ケーブルと地上波というプラットフォームの違いを考慮したとしても、6.8%(ニールセンコリア全国基準)の「皇后の品格」を8.7%と軽く制して順調な出発を知らせました。
しかし、このような「ボーイヅレンド」の勝利は、それほど長くは続きませんでした。
11月29日10.3%で自己最高視聴率をとった「ボーイフレンド」は、その後視聴率が停滞したり、少しずつ下落する様相を見せているからです。
それに対してキム・スンオク作家の「皇后の品格」は12月12日わずか2週間で8.5%の[ボーイフレンド」を9.8%と制圧し、水木大戦の強者として浮上して、とうとう12月20日には14.6%で「ボーイフレンド(9.2%)」と5%程度の格差を広げて水木大戦の確実な勝者となりました。
1位だけ記憶される世の中では、「皇后の品格」の勝利は注目されるしかありません。
しかし、「皇后の品格」が破竹の勢いで打って出ても、これまでのtvNドラマの基準で着実に8〜9%の視聴率を維持する「ボーイフレンド」の成果を無視してはなりません。
そこに視聴率至上主義という色眼鏡を外してみると、水木ドラマの中で作品性の面ではMBC「赤い月青い太陽」を追いかけるドラマがあるでしょうか?
オフィスものの視聴者のためのKBS2の「死んでもいい」はどうでしょうか?
1等が重要なのではなく、選択肢が広くなったことで、12月の水木ドラマは、これまでよりも豊かな収穫を収めているのです。
もちろん、その選択の基準は、それぞれ異なっていますが。
◇「マクジャンドラマ(ドロドロの愛憎劇)の品格」
「私はドラマ作家としてすごい価値を伝えたいですが、それでも全国民を涙の海にしたいとは思わないです。」
「私が望むのは、ただ”今日死にたい”と思うほど何の希望もない人々、子どもたちに、電話一本来ない孤独なお婆さんたち、そんな方々に人生の希望を与えることです。」
「私のドラマを待つことそのものが、そのような方々の人生の楽しみになれば私にはこの上ないやりがいとなります。偉大で立派な作品を書く方々は他にいると思います。」
「私は不幸な誰かが死のうとしたけれども、「このドラマ、明日の内容が気になって死ねない。」と考えるようなドラマ、ドラマを通じて悲しみを忘れ希望を得られるようなドラマを書きたいです。」
「どうしてマクジャン(ドロドロの愛憎劇)を書くのか」に対するキム·スンオク作家の答えです。
そして、このキム·スンオク作家の言葉のように、「皇后の品格」を明確に定義付けた文はないでしょう。
作家のこの文に対する呼応のように、「皇后の品格」記事のコメントには、「次が知りたくて1週間を過ごすのか、或いはキム·スンオク作家、あなたが成功したのか来週が見たくて今週も耐えることができるでしょう」という視聴者の反応が多いのです。
キム・スンオク作家の「皇后の品格」は、夫と婚家に捨てられ復讐していた「妻の誘惑」の叙事的伝統を受け継いでいます。
そこに現存する「皇室」という背景が、ドロドロの愛憎劇ドラマの中の冷徹な夫の実家にアップグレードし、チャン・ナラ、シン・ウンギョン、シン・ソンロク、さらに子役のオ・アリンまで出演者の好演が光っています。
また、整形手術でアップグレードしたナ・ワンシク(チェ・ジンヒョク)がオ・サニー(チャン・ナラ)を<ボディーガード>のケビン・コスナーのように保護してくれるかと思えば、次の週には、むしろオ・サニーを罠に陥れる役割をするように、明日がわからない展開で視聴者をつかまえておきます。
既存のロコジャンルが持つ、予想することができる期待値をばらばらに崩すことから来る快感、それにもかかわらず、一貫した勧善懲悪の痛快さがキム・スンオク作家が持っている長所です。
このようなキム・スンオク作家の「皇后の品格」を人々は「マクジャン(ドロドロの愛憎劇)」と呼びます。
「普通の人の常識と道徳基準では、理解したり、受け入れ難い内容のドラマ。強引な状況設定、絡み合った人物関係、不倫、出生の秘密など刺激的な素材で構成されている(以下の辞書)」。
以前には、マクジャンは、韓国の週末の朝ドラマの主な素材でした。
そして平日ミニシリーズの不振に苦心していたSBSがキム・スンオク作家を招聘し、その後、KBS2も水木ドラマの主人公に別のマクジャンの大家ムン・ヨンナム作家を招聘しました。
「マクジャン」は、韓国ドラマ市場では”質が低いドラマ”という評判を得ていますが、果たしてそうなのでしょうか?
韓国でも人気を集めた「デスパレートな妻たち」もマクジャンジャンルから大きく逸脱することはせず、最近話題になっている「SKYキャッスル」の中の家族関係もドロドロの愛憎劇の属性を抱いていると言えます。
「ボーイフレンド」の中のチャ・スヒョン(ソン・ヘギョ)周辺の関係とは違うのでしょうか?
マクジャンの定義は、普通の人の常識と道徳基準では受け入れがたいと言われてきましたが、資本主義社会の基本単位である家族制度が持つ矛盾を最も赤裸々に描き出しているという点で、おそらく視聴者は、最も「現実的」と熱狂しているのかもしれません。
そのため、この矛盾が露呈される限り、マクジャンは存在し、ミニシリーズの救援投手として真価を発揮しているところなのです。
*後編は明日の②に続く…
ひとこと
読み応えのある面白いコラムです。韓国ドラマの底力を感じさせるこの冬の水木大戦…久々のマクジャンドラマ強しですが、そこには深い理由もあったのですね^^
*写真は各ドラマのポスターより記事はmediausからお借りしました。
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