韓国旅行|『ソボク』【コンユ】未公開写真付きロングインタビュー♪
クローン人間のソボク(パク·ボゴム)を眺めるキホン(コンユ)の目にはいつも多くの質問が込められています。
「抑制剤を毎日打ってもらうって?」「毎回こんな食べ物ばかり食べるの?」ソボクを実験体ではなく人間だと思うためにかけられる質問。
これらの質問を乗り越えてお互いの世界に足を踏み入れたソボクとキホンは少しずつ、ゆっくりとお互いを理解するようになります。
コンユは、期限付きの宣告を受けた元情報局の要員キホンの切迫さを表現するために、台詞の一言一言にも慎重を期しました。
ソボクを最も近くで見守る観察者であり、映画の語り手として生と死を論じる「ソボク」のメッセージを決して浅く伝えることはできなかったからです。
コンユは「顔が荒々しくて、キホンのような厳しい状況の人物をよく務めたようだ。」と言います。しかし、いつものように、凄まじさだけでは説明のつかない感情が彼の目に浮かんでいました。
「映画が話したいことを伝える『メッセンジャー』の役割を果たしたのは『るつぼ』『釜山行き』に続き『ソボク』が3回目」というコンユは、映画が問いかける最後の質問を親切に観客に引き渡します。
紙面に載っていない未公開カットも一緒に公開します。
–(スタジオの壁に貼られた写真を指して)いつ撮影した写真なのか覚えていますか?
=はい、覚えています。ドラマ『コーヒープリンス1号店』が終わった時です。この作品に関して公式的に行った最初で最後のインタビューだったんです。」
「元々、何もしないで休もうとしていたので、更に記憶に残っています。あの時ブロマイド用に写真を本当にたくさん撮りました(笑)。当時、が<「コーヒープリンス1号店」について話していた唯一の窓口でした。
-今日は「ソボク」について、長くお話してみたいと思います。
--他のインタビューで「自分に新しさを与えられる作品を選択する」と言っていましたが、「ソボク」の場合、どんな点が新鮮だと感じましたか?
=一応「ソボク」は人間の生と死に関して語る作品なので、単純な時間つぶしの映画にならないという信頼がありました。また、作品を選ぶのに、最近の私の考えと悩みが、多くの影響を及ぼしたようです。
「次の世代が生きていく世の中はどうなのか」、「2050年の韓国にはどんな状況が展開されるのか」そんなことを最近考えているのです。
「ソボク」に登場したクローン人間も近い将来いくらでも実現可能だと思います。結果論的な話ですが、最近全部近未来が背景の作品を選んだんですが、「ソボク」がその始まりとなりました。
--『徐福』は、生と死についての課題を投げかける映画です。キホンは永生の鍵を握るクローン人間のソボクのそばを守る観察者として登場しますが、観客はキホンの観点からソボクを眺めるようになります。案内者としての役割に対する負担が少なくなかったようです。
=難しかったですね。なぜか私はそんな役回りをよくするんですよ(笑)。「釜山行き」もそうだし「るつぼ」も。
キホンは観客に映画を案内する立場ですが、私は「ソボク」が観客に「あなたならどんな選択をするか」と質問を投げかける映画だと思うんです。
その質問に至るまで観客をうまく導かなければならないキホンの役割が難しく、負担もありましたが、一方ではそのような点が気に入りました。メッセンジャーが好きな人は、基本的にそうなんです。
–それなら、観客の共感を引き出すことに重点を置いたと思いますが。
=はい、台詞にかなり気を遣いました。イ·ヨンジュ監督は飾らない言葉の台詞を使う方なんです。おしゃれな台詞より、そのような台詞の表現がより難しく、そのためより努力し、表情や目つき、動作にもたくさん気を遣いました。
-特に力を入れた場面はありますか?
=実は私の好きなシーンがあります。–ちょっと意外に思われるかもしれませんが、キホンとイム·セウン博士(チャン·ヨンナム)が研究所で会って対話を交わすシーンです。
私が”臨床実験が失敗したら私はどうなるのか?”と尋ねると、イム·セウン博士が”死ぬとしか、、、”と一言付け加えました。
「人間は本当に怖がりよね。欲張りだし。」 私はイム·セウン博士がキホンに言ったこの台詞が「ソボク」を貫く言葉だと思います。
キホンも今、死を目前にして人生があまりにも切実な状況ですが、その時イム·セウン博士の台詞がどんと心に刺さったんです。
シナリオを読む時から好きで、それほど力を入れました。私が作品に没頭するのに多くの影響を与えシーンです。
-イ·ヨンジュ監督とはどんな話をしましたか?
=監督は私を信じて任せる時が多かったです。「感情が爆発するシーンを撮る時とか、私が言いたい台詞などがあれば気楽にやれ。」と言いました。
普段、そういうふうに挑戦してみるのが好きなのですが、「ソボク」は思ったより簡単ではありませんでした。人間の生と死についてのストーリーなので、台詞や行動においてはさらに慎重にならざるを得ませんでした。
–時限付きの判決を受けたキホンの状況のため、もっとそうだったと思いますが。
=そうですね。当たり前の話ですが、私は死を経験したことも、期限付きの人生を宣告されたこともないので、ドキュメンタリーや実話をベースにした映画を通じて間接的にキホンの状況を描いてみるしかないんですよ。
それで台詞の一言一言を慎重に話しましたし、キホンの状況についても監督と話をたくさんしました。
–話を聞いたらソボクが「どうしていつも怒ってばかりいるんだ」と言うほど、苛立っていたキホンの姿が理解できます。前作では見られなかった姿です。
=私がこれまでやってきたキャラクターとは確かに違います。多分、これまで演じてきた作品の中で 一番口の荒い人物だと思います(笑)。
自分が置かれている状況から来る敏感さもあり、人生に対する切実さが文字を書き添えるのです。ところが、監督が私にキホンという人物を任せたのには、そのようなキホンをより立体的に表現することを望んだのだと受け入れました。
それでは、キホンは過去にどんな人だったのだろうか。期限付きの宣告を受ける前には冗談も上手で茶目っ気も多い人だったようです。なので、ソボクに出会った時は、過去の姿が少しずつ飛び出すようにトーンを合わせました。
-キホンのやつれた姿を見ながら、外的にたくさん気を遣ったという印象を受けました。
=どうしても期限付きの宣告を受けた状況なので、頬の肉ももう少し落ちていたらと思い、目もくぼんでいたらと思って体重管理をしました。撮影中もずっと気を遣っていました。
-アクションシーンについても聞きたいですが。先日の「CINR21」とのインタビューで、「「82年生まれ、キム·ジヨン」の撮影現場は天国のように感じられるほど「ソボク」でたくさん転がった。」と話していました。
=実はアクションシーンはそれほど多いわけではないんですが、言葉通り体を動かしながら撮影しなければならないシーンがありました。
キホンと違い、ソボクは主に車椅子に座っていて自分の能力を使用するんですよ。そんな時、パク·ボゴムさんがうらやましかったです(笑)。」
でも「容疑者」とか、前作で難易度の高いアクションシーンをたくさんやったので「ソボク」は比較的辛くない撮影でしたね。
武術監督もいらっしゃって、「出来るじゃないですか」と 何回かお手本を見せてくださって。 そんな風に撮影しました(笑)。
-ソボクを安全に移動させる任務を引き受けたキホンは、皆がソボクを実験対象とした時、唯一彼を人間として見て待遇する人物です。
=キホンがそんなふうに変わっていく人物だと思いました。見かけはその年頃の男の子たちと変わらないのに、ソボクがクローン人間だというから、キホンも最初は半信半疑です。
そうするうちに長い旅路を共に行くことになり、ソボクが投げかける言葉がキホンに大きく近付くのです。「ずっとこれだけを食べて、これだけをして生きてきた。」という話です。
ソボクが「永遠に終わらない一日」を生きるというから、じっと聞いていたキホンが「だましてごめん。」と言う場面が二人が交感するクライマックスシーンだと思います。
このシーンを基点に、二人がお互いの立場と状況を理解するようになり、関係がさらに強くなるんですよ。死を前にしたキホンと永遠の人生を生きるソボク。
二人が完璧に対比される設定が魅力的に感じられ、それが映画『ソボク』を選んだもう一つの理由でもあります。
-映画『ソボク』で初めて会ったパク·ボゴムさんとの相性はどうでしたか?
=元はといえば私は男優とツートップで出たことがあまりないんです。そういうところが新鮮だったし、お互い取り交わすシーンが多いので、撮影する度にたくさん話し合いました。
パク·ボゴムさんの純粋で明るいエネルギーが私を助けてくれました。また私と同じような道を歩いている後輩俳優なので気になりました。
言わなくても、今どんなプレッシャーを受けているのか感じる時があったし。先輩として役に立ちたいという気持ちが大きくて、私にできる励ましもいっぱいしました。
-パク·ボゴムさんに怒る演技についてアドバイスをしたと聞きました。どんな話をしてくれたんですか?
=アドバイスというよりは… 「ソボク」がCGの多い映画なので、状況を想像しながら演技しなければならない場合が多かったんです。
映画はいつも順番通りに撮るわけではないので、いきなり感情を大きく発散しなければならない時がたまにあったのに、そうでないふりをして演技をするのが難しいと言うんですよ。
もちろん僕も撮る時、恥ずかしい時があります。一人で”うわっ!”と大声を出してジェスチャーを取ることは、そう容易いことではないんですよ。
そんな時、私はわざともっと大声を出しますが、そうすると状況にもっと集中していきます。 まるで歌う前に喉を開くように。その後は、次のテイクに行くのがはるかに楽です。そんな話をお互いにたくさんしました。
-ドラマ『トッケビ』以降は、映画『82年生まれキム・ジヨン』や『ソボク』など、映画を選び続けましたが、ひょっとして映画作業に対する渇きがあったのではないかと思いますが。
=そうですね。『トッケビ』が終わって、燃え尽きてしまって、何もしないで休みたいと言ったんですけど、そんなに長い時間がたたないうちに作品を始めたんですよ。
私自身が映画をやりたかったようです。周りに何度も『振り返ってみたら、映画の現場に行きたい。』という話を何度もしていました。
「82年生まれ、キム·ジヨン」は、予期せぬ瞬間に突然ふっと現れたんですが、私のフィルモグラフィーにあるというのが本当に嬉しい、とても良い作品です。
この言葉を、後で監督と制作会社にしたところ、すごく感動してくれました。『82年生まれ、キム・ジヨン』は作品だけを考えながらストレスなく満足に撮影した映画です。
ひとこと
新型コロナウイルス感染症の再拡大により公開延期を余儀なくされている中、読み応えのあるロングインタビューが嬉しいですね。待つ日々も楽しいと前向きに捉えて過ごしましょう^^/
✳︎写真と記事はcine21よりお借りしました。
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