韓国旅行|『PDたちが領域を広げる』=クロスオーバーを放送局はなぜ容認するのでしょうか?(コラム)

韓国旅行|『PDたちが領域を広げる』=クロスオーバーを放送局はなぜ容認するのでしょうか?(コラム)


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KBS2「プロデューサ」の主人公のチャ·テヒョン(左の上から時計回りに)コン·ヒョジン、IU、キム·スヒョン



創作の世界で、境界を区分するのは無意味かもしれませんが、会社などの組織に身を置いている状況であれば、話が違います。

放送局のPDがそうです。芸能局では芸能番組を作り、教養局では教養番組を作らなければなりません。

しかし、最近になって、PDの「クロスオーバー」が非常に活発になっているのです。

それだけでなく、放送局に所属したまま、社外で活躍している場合も少なくありません。

放送でも、その放送局とは別の仕事を広げています。PDの領域を超える活躍、放送局はなぜそれを容認するのでしょうか?





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KBS芸能局、ソ・スミンPD




◇第2のナ·ヨンソク、シン・ウォンホを生み出したくない場合には?

韓流スターのキム·スヒョンの次期作として期待を集めているKBS2「プロデューサ」は、KBS芸能局のソ・スミンPDが作るドラマということで話題です。

芸能出身PDがドラマを演出するのは初めてではなく、芸能局に所属したままでドラマを演出するということが業界の関心を集めているのです。

KBS芸能局の内部でも期待が大きいです。KBS芸能局のある関係者は「現在の人気バラエティ番組を作っているPDたちも「プロデューサ」への関心が高いです。」と言います。

「「うまくいったら良いな」と話しています。自分たちもドラマをやってみたい欲があるから」と明らかにしました。

「プロデューサ」が期待通りに興行に成功した場合、他の芸能PDの芸能局内のドラマ挑戦のラッシュが予想されます。

以前なら、ドラマはドラマ局で、芸能番組は芸能局が作るのが定石でしたが、雰囲気が全く変わった理由は何でしょうか。

創作において、ジャンルの境界が無意味であると判断したせいかもしれません。

意欲あふれるPDに機会を与え、さらに外部への流出を防ぐという計算もあります。

KBSからCJ E&Mに移ったナ·ヨンソク、シン・ウォンホPDなどがそれぞれ「花よりおじいさん」、「三食ごはん」シリーズ「応答せよ」シリーズなどで活躍し、絶大な人気を得ています。




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ナ・ヨンソクPDの新作「花よりおじいさん-ギリシャ編」



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今をときめく若手俳優を大勢生み出したシン・ウォンホPDの「応答せよ1994」



これを見た放送局が、第2のナ·ヨンソク、シン・ウォンホを作らないという意図があると思われる所以です。





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SBS「星から来たあなた」のチャン·テユPD




同じ理由で、SBSドラマ局では、社内PDが外で働くことすら許しました。

昨年初め、国内はもちろん、中華圏で絶大な人気で大ヒットしたSBSの「星から来たあなた」を演出したチャン·テユPDが、昨年7月に中国進出を計画して、SBSに休職届を提出しました。

中国でロマンチックコメディ映画を演出するために、中国側との契約までしましたが、チャンPDに対してSBS側は「2年間休職した状態であり、中国側との契約には問題がない」と明らかにしたのです。

これに対して、SBSドラマ局の関係者は、「SBSはKBSやMBCに比べて、ドラマPDの中で、スターPDはもちろん、絶対的なPDの数が不足しているので、私たちが続けて一緒に仕事をしたい人の要望を聞いてあげるほうがいいと思っている。」

「いつか信頼できるPDがより多くなれば、今のような要求を継続して受け入れることは不可能になるだろうけれど」
と率直に話してくれました。





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映画「朝鮮名探偵:消えたノブの娘」のキム・ソクユン監督、俳優オ·ダルス(左から)、キム·ミョンミン、イ·ヨニと手を合わせて餅を切って大ヒットを祈願している




◇タイミング良く訪れたチャンスを見逃さない意欲がある場合!

JTBCに移籍したKBS芸能局出身キム·ソクユンPD「外での仕事を許されたPD」の成功事例として挙げられています。

現在、JTBC制作企画局長のキムPDは、KBS時代には、「オールドミスダイアリー」(2006)と「朝鮮名探偵:カックシトグの秘密」(2011·以下朝鮮名探偵1)の2本の映画を演出しました。

JTBCに行った後、先月には、「朝鮮名探偵:消えたノブの娘」(以下、朝鮮名探偵2)を演出し、毎回好評を受け、興行隊列に合流しました。

キムPDは、芸能だけでなく、映画でも格別な実力を発揮したわけですが、よく分析してみると、結果的に彼を水面下でサポートした環境を無視することは出来ません。

例えば、彼の映画演出の機会に恵まれたのが一つの転機だったと思い至ります。タイミング良く、キムPDに映画に挑戦できる環境が与えられたのです。

KBS芸能局のある高位関係者は、「「オールドミスダイアリー」は、「愛と戦争」と一緒に劇場版で製作されました。」

「当時劇場で、上映できそうなコンテンツを映画化する作業があった」と明らかにしました。

2004〜2005年に放映されたKBS2シチュエーションコメディ「オールドミスダイアリー」は、シットコムとして大きな人気を集め、イェ·ジウォンチ·ヒョヌなど、シチュエーションコメディの主人公をそのまま映画の主人公に起用し、映画の演出もシットコムを演出したキムPDが引き受けました。

また、この関係者は「当時、そのような作業をKBSの子会社であるKBSメディアで進行していました。」

キム·ソクユンPDが、そこに派遣されていた時期でもあった」

「この時「朝鮮名探偵1」も撮ったんです」と伝えました。

「オールドミスダイアリー」劇場版の映画と縁を結び、「朝鮮名探偵1」を作る機会に恵まれたんです」と話しました。

その後、「朝鮮名探偵2」を演出するときは、JTBC側が何故容認したのでしょうか?

JTBCのある関係者は「JTBCに移籍した時から条件をつけていた」と話しました。

「「朝鮮名探偵2」を撮らなければならない状況だと言われて、JTBC側がその部分について、OKをし、撮影の間、5ヶ月ほど休職していました」と述べました。

キムPDはシチュエーションコメディを映画化しながら、外部で活躍の場を広げることができていたので、今回、ソPD「プロデューサ」後、新たな機会と外での別の仕事に恵まれることがあるのかが注目されています。



キム·スヒョン – IU「プロデューサ」人気芸能番組の上に立つか?




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KBS 2TVが金土ドラマで企画中の「プロデューサ」の製作ニュースに、人気芸能プログラムが緊張しています。

事実上、金曜日と土曜日の午後11時の番組編成が決まった中で、週末のプライムタイムに放送していた芸能プログラムが巨大な恐竜のような「ドラマ」が編成されることに神経を尖らせているのです。

「プロデューサ」KBS芸能局が企画した初めての芸能ドラマです。

「棚ぼたのあなた」「星から来たあなた」を介して、おもしろく大衆性の強いドラマを作ったパク·ジウン作家「ギャグコンサート」の最盛期を享受したソ・スミンPDが手を握りました。

ここに「興行メーカー」のキム·スヒョンコン·ヒョジン、信じて見られる俳優チャ·テヒョン、歌手兼俳優IUが出演するというニュースにオンラインが揺れています。

ドラマ局が製作するかなりの数の平日ドラマよりもいわゆる「キャラクターが強い」俳優たちが出演して、これからたまに登場するカメオ出演俳優たちの名にも、有名な人々が多いことが知られています。

それこそ見たい俳優たちが並んで出てきて面白い話になるという期待感のためにスタート前から話題になっているのです。

そのため同時間帯の競争を控えているプログラムは、緊張しています。

金曜日と土曜日の午後11時代は芸能プログラムが掌握している時間帯です

通常芸能番組よりドラマが高視聴率を記録することになるだろうと考えられますが、新しい競争相手、さらには規模の大きいドラマの登場が嬉しくはないはずです。

金曜日の午後11時は、MBC「私は一人で住んでいる」を筆頭にJTBC「魔女狩り」、SBS「笑いを探す人々」が放送されています。

「笑いを探す人々」が春の改編の一環として、日曜日の午後9時代に移されます。

そのかわり、この時間帯は、旧正月の特集で企画放送された「燃える青春」が放送される予定です。

「燃える青春」は、まだ放送が本格的にアナウンスされる前から「プロデューサ」とぶつかることになりました。

土曜日の午後11時代はMBC「三輪(セバキ)」JTBC「自分一人で恋愛中」が放送中です。

土曜日の午後11時の長寿番組である「三輪(セバキ)」と好評放送中の「自分一人で恋愛中」にも赤信号が灯りました。

もちろん、「プロデューサ」芸能プログラム視聴層が異なり視聴率のパイが大きくなるという予想もありますが、大多数の放送関係者たちは、芸能番組が全体的に視聴率が落ちると見込んでいます。

ある地上波芸能番組の関係者は、最近OSENに 「「プロデューサ」があまりにも高い関心を受けていて競争プログラムの立場では、打撃を受ける恐れがあることは事実

「それでも製作陣としては良いコンテンツを作ることに注力することしか方法がない」と明らかにしまし。

また、他のプログラムの関係者は、「芸能がどのようにしたらキム·スヒョンパク·ジウン作家に勝てるというのか」「ドラマが終わる日を待つしかない」とため息をつきました。



ひとこと


日本で同じような事がよく聞かれたのは、ニュース番組にキャスターと言うものが出て来た時です。かなり前のお話になりますが、NHKをはじめ民放各局でも、かなりの感情的対立があったと聞いています。

それまでは、ニュースを伝える人は、アナウンサーという専門職、ある意味、話術の達人という職人肌の方たちがプライドを持って務めていたのを、突然、記者や解説委員、ひいてはタレントなどが、ニュースキャスターと呼ばれ、自分たちの領域を侵し始めた…

同じアナウンサー同士でも、報道、スポーツ、芸能と分かれてそれぞれが浸食しないようになっています。ですからこのようなクロスオーバーは、やはり大変なのでしょう。

しかも部署は移動せずに作るというKBSの判断や、「星から来たあなた」のチャン・テユ監督の中国行きを2年の休職扱いにしたりと、囲い込みに必死ですね!

ナPDに出て行かれた(会社がそう追い込んだ訳ですが…)国営放送は、余りにも痛い目にあってしまっていますから、、、視聴者としては良いものができるなら、とても面白くなってきたなあ、と思ってしまいます。

まずは「プロデューサ」の成功にすべてがかかってくるのでしょう!スタートが待たれますね〜♪


*写真はスポーツソウル,KBS,SBS,starinから記事はスポーツソウル,OSENからお借りしました。

2015年03月22日 韓国旅行|『PDたちが領域を広げる』=クロスオーバーを放送局はなぜ容認するのでしょうか?(コラム) はコメントを受け付けていません
カテゴリ: 韓国社会 韓国ドラマ、映画


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