韓国社会|K-POPで社会経済を学ぶ韓国の小学生
ある日の午後1時ソウルのとある小学校3階の理科実験室。 10人の小学生が新聞を広げていました。彼らは毎週土曜日の放課後に行われる学校論述NIE(新聞活用教育)の授業に参加しているのです。
授業を担当しているスミ(44)NIE指導師は、赤いペンライトを振って明るく笑っている外国人たちの写真を取り出しました。
「これらの人々がなぜこのような顔をしていると思いますか?自由に想像してください。」
教室のあちこちで発表しようとする学生たちの手がどんどん上がります。「試験が良く出来たのかな」 「サッカーゲームで勝ったと思います」
「コンサートだと思います」 など、面白い答えが返ってきました。
「これは先週、スペインのバルセロナで開かれた韓国の大衆歌謡=”K-POP”のコンサートの現場写真です。
今日は、アメリカとヨーロッパに吹き荒れたK-POPブームについて調べましょう。」と、指導師は説明しました。
そのあと、教室に設置されたTVで、世界中のK-POPブームの様子が録画されたニュースビデオが上映されました。お気に入りの芸能人が登場すると、小学生たちの目が輝きはじめました。
すると、キム指導師は、自然に”文化”の話を持ち出し、以前は文化輸入国だった韓国がどのように文化輸出国になったかを説明しはじめたのです。
そして、本格的にK-POP関連の新聞記事を読む時間に進みます。新聞でK-POPの記事を確認した後、小学生の学力に合わせて内容を優しくした教材に目を移しました。
記事を段落ごとに順番に読んだ後、K-POPの人気の原因と、その後の国家イメージや、国の経済、そして国民一人一人への影響について討議しました。
「K-POPは、FacebookやYouTubeなどのサービスを通じて、海外にも知られることになりました。」、「韓国の芸能人たちが、海外でコンサートをすると、外貨を稼ぐことができ、国家経済にプラスになります。」
「相対的に韓国のイメージが良くなり、私たちが海外に出れば簡単に外国の友達を作ることが出来るようになります。」 など、様々な意見が飛び交いました。
学生たちは、討議内容を、「K-POPが普及すれば、どのような良い点が生まれるの?」というタイトルの文でまとめました。
ホジン君(13)は「これまでは、新聞では、スポーツや芸能記事だけ読んでいました。NIE授業に出るようになってからは、新聞を読む楽しさが分かって
初めから終わりまですべて読むようになったし、知っていることも多くなり、コメントもどんどん言えるようになってきたんです。」と話しました。
スミ指導師は、「学生たちが一週間以内に話題になった新聞記事を読んで、討議することで話術を育てることができる」とし
「この種の記事は、子供たちも簡単に読むことができ、普段苦手な”社会”の勉強にも自然につながって勉強になるんです。」と話しました。
ひとこと
K-POPが授業の材料になり、子どもたちは文化が発展する可能性を幼児の頃から考えるので。K-POPの今後は、きっとこのような授業によって、第2世代の新しい音楽を生み出し更には、ビジネスが生まれる可能性も出てくるのでしょう。
K-POPブームを単に楽しむものだけに終わらせず、教育へ繋ぐ。とても韓国らいし発想だと思います。
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