韓国旅行|【コンユ – パク・ボゴム】の『ソボク』はなぜTVINGを選んだのだろうか?

韓国旅行|【コンユ – パク・ボゴム】の『ソボク』はなぜTVINGを選んだのだろうか?






NETFLIXが生んだ『オクジャ』は2017年の映画界の熱い話題でした。 『オクジャ』の劇場-OTT(オンライン動画サービス)同時公開推進をめぐり、マルチプレックス事業者らが一斉に立ち上がりました。

「先に劇場公開後、ホールドバック期間(公開3週間後)を経てインターネットプラットホームに移動」する伝統的な映画公開方式から抜け出した「オクジャ」が、映画産業の生態系と流通秩序を毀損するというのが理由でした。

結局、『オクジャ』はマルチプレックス劇場のボイコットの中で単館劇場だけで観客に会うことになりました。議論の真ん中で『オクジャ』を演出したポン·ジュノ監督はこう語りました。

「結局、ストリーミングと劇場は共存するでしょう。どのように共存するかが問題であり、『オクジャ』がその始まりだと思います」。





映画《ソボク》のスチールカット☜CJE&M、TVING提供



それから4年が過ぎました。CJE&Mが投資配給した映画『ソボク』が劇場と韓国固有のOTTティービング(TVING)で同時公開されるといいます。OTT-マルチフレックスシアターへの同時出撃は、国内では初めてのことです。

これに先立ち、『狩りの時間』、『チャ·インピョ』、『コール』、『スペース・スウィーパーズ』などがNETFLIX行きを選択しましたが、その見返りに劇場公開をあきらめなければなりませんでした。

「劇場を排除した公開」がNETFLIXが掲げた条件だったからです。期待作をOTTに奪われた映画館は涙をのまなければなりませんでした。

OTTで公開された後でも劇場で公開してほしいという世論がありましたが、状況は思わしくありませんでした。考えられることでしたが、マルチプレックスが「オクジャ」をボイコットした過去と比べると完璧な状況逆転になりました。








ご存知のようにその背後には新型コロナという疫病がいます。この「パンデミック」は誰も予想できなかった変数を次々と出していますが、映画館街もこの影響力から抜け出せませんでした。

映画館の観客は激減し、新作映画は相次いで離脱し、在庫が増え、投資も冷え込みました。 映画館の危機はOTTにはチャンスでした。封切りの時期を決められなかった大作が映画館をあきらめてOTTに行路を変更しました。

観客の注目を集める映画の連鎖離脱の中で、劇場の状況はさらに悪化しました。新型コロナが劇場中心に組まれた映画産業を揺るがし、OTTをメディア市場再編の人気アイドルに押し上げたのです。「劇場vsOTT」の張り詰めたバランスの錘もOTTに大きく傾いていきました。

そのためです。『ソボク』の歩みに多くの耳目が集まっているのは。








まず目につくのはTVING。TVINGはCJENMの子会社だということです。昨年10月、CJENMから物的分割して独立法人として発足しました。今年1月にはJTBCスタジオを公式の新しい家族に迎えました。

強力なプラットフォームパワーを持っているNAVERとも持分交換を通じて同盟を結びました。このすべては、日々大きくなるOTT市場で競争力を確保するための一環でしょう。

急速に規模を拡大するTVINGを巡り、一部ではNETFLIXの対抗馬になるだろうという見方も出ています。問題はコンテンツです。

対抗馬になるためには、大衆の注目を集めるためのオリジナルコンテンツが必要です。そのような点でコンユパク·ボゴムイ·ヨンジュ監督の出会いとして期待を集めている『ソボク』は、TVINGとしては結果的にあまりにも立派なカードだったのです。









CJENMとしても戦略的な選択肢になり得ます。子会社の競争力拡張を助けながら、劇場公開に対するリスクを下げ、制作費の補填に対する負担を減らすことができるのです。

封切り作の不在で困難に直面している劇場の場合、最善ではないものの、コロナが現在進行形である状況で次善になることもあります。

OTTに吸収される観客のことを考えると物足りなさが残るでしょうが、少なくとも『狩りの時間』『チャ·インピョ』『コール』『スペース・スウィーパーズ』のように、座って見物する必要はありません。

新作公開を誘導するため、最近付率(劇場の収益配分比率)までも配給会社と製作会社に有利に調整し、姿勢を精一杯低くしていた劇場として、『ソボク』はどうしても手に入れたい縄張りだったはずです。

もちろん、このすべてが細かく重なったのは、『ソボク』が映画投資、配給、劇場事業を含めたCJ系映画だという点を見逃すことはできません。

オリジナルコンテンツを自社のOTTに乗せて劇場と同時攻略する戦略はハリウッドが一歩リードしています。ワーナー·ブラザースは昨年、『ワンダーウーマン1984』を映画館と自社OTTサービスHBOマックスで同時公開しました。

HBOマックスの加入者1260万人のうち半分が『ワンダーウーマン1984』を視聴しました。 加入者数も『ワンダーウーマン1984』によりドラマチックな増加となりました。このような雰囲気に乗って、『ワンダーウーマン』は3本の制作をすでに確定しています。

一方、ディズニーは『新型コロナ』で北米劇場がシャットダウンされると『ミューラン』と『ソウル』の米国公開をあきらめ、ディズニー独自のOTTプラットホームである『Disney+』での公開を選択しました。

同時にDisney+サービスのない国では劇場公開を行う方式でオン·オフラインを攻略しました。パンデミックが映画界の「封切りパラダイム」を変化させているのです。





映画《ソボク》のスチールカット☜CJE&M、TVING提供



◇劇場とOTTは共存できるのでしょうか?

先例の力は強いです。NETFLIXが韓国で主に使用してきた「OTT独占公開」方式から脱し、「劇場-OTT同時公開」を選択した「ソボク」の結果は、今後の映画に少なからぬ影響を及ぼす公算が高いです。

今まさに公開を待機しているCJENMの大作『英雄』(ユン·ジェギュン監督)らが『ソボク』のように、劇場-TVING同時公開に方向を変えることも可能になります。

より遠くのことを見ると,映画の消費環境の変化とあいまって,映画の制作方法にも大きな変化が起こりうることになります。これは、すでにNRTFLIXで上映された韓国映画を通じても証明されたもので、このような変化の流れはさらに強まるでしょう。

これまで「才能は韓国の製作会社が使い、金は米国に本社のあるNETFLIXが稼いでいく」という一部の反応があったことを考慮すれば、韓国の製作会社にとっては新たな代案となる余地も大きいです。

だからこそ、『ソボク』の歩みはいろいろと興味深く、結果が気になるのです。家で気楽に映画を見ることができるのに、観客は映画館に向かうのでしょうか?

TVINGは『ソボク』によって加入者をどれだけ増やせるでしょうか?映画館とOTTは共存できるのでしょうか?ボン·ジュノ監督の言葉を再び思い出してみましょう。「結局、ストリーミングと劇場は共存するでしょう。どう共存するかが問題です。」



ひとこと


読み応えのあるコラム。公開が迫るにつれ「ソボク」が開ける新しい時代の扉への期待は膨らみ、その結果に誰もが注目しているようです。私たちは歴史に残る凄い時間を共有していますね^^/


✳︎写真はTVINGより記事はsisajournalからお借りしました。

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